インフルエンザで重篤

 一週間ほど前から風邪気味で、咳くしゃみ、鼻水に加えて、熱が37度前後あった。2、3日安静にしていれば回復するだろうとたかをくくっていたら、週末から39度近くの熱がつづいて、意識ももうろう、つらい日が続いた。平熱は35度台なので、37度をこすと耐えがたくなるのが常である。39度近くの熱は、文字通り地獄である。お腹の状態も良くなく、食欲もまったくなくなり、1週間で2キログラム近くも体重が減った。

 さすがに鈍感な私も、これは単なる風邪ではないと判断せざるをえなくなった。かかりつけの病院の内科の予約日が23日(火)なので、それまで我慢しようと思ったが、肺炎でも併発していたら一日を争うと、22日(月)、近所のクリニックを訪れる。医師の診断は、インフルエンザB。タミフェルと解熱剤(アセトアミノフェン)を処方してくれて、木曜日まで4日間外出を控えるように言い渡される。

 タミフェルは劇的に効き、解熱剤とともに急速に効果をあらわした。22日朝から雪が降り出し記録的な積雪となる。23日、かかりつけの病院の診察日、常用している降圧剤をもらわなければならないので、「外出を控えよ」との前日の医師の忠告にもかかわらず、朝、勇を奮い起こして、10センチ以上も積もった雪道を電車で一つ先の駅から歩いて15分の病院におもむく。いつもにぎわっている待合室は閑散としていて、病院の事務、検査などの担当者から「雪道ご苦労様」など何時になく親切な声をかけられる。ところが、内科のM医師に事の次第を報告すると、厳しい顔で「外出を控えなさい」とは、「外出禁止のことです。わたしたちは、禁止とかやめろなど命令口調は避けているのです」とのこと。「降圧剤をどうしてももらわなくてはならないので」というと、「家族に薬だけとりにきてもらえばよいではないか」と一蹴される。そして、ただちに廊下の一番奥の人の立ち寄らないところへ連れていかれ、隔離である。次回診察の予約も、会計もすべて病院側で処理してくれ、追い返される。

 以上が、ここ数日の顛末である。23日、予約しているからと生真面目に出向いたのは失敗であった。とにもかくにも、80歳になる高齢者にとって、インフルエンザは大敵である。改めてご忠告を。