2020-08-07から1日間の記事一覧

ベルンハルト・シュリンク『オルガ』(松永美穂訳、新潮社、2020・4)

『朗読者』で知られる作者の最新作である。ドイツ東部の貧しい家庭に生まれたオルガは、両親を病で失い、孤児となって祖母に育てられる。祖母は、スラブ系の血を引くオルガに終始冷淡な態度で接する。そのため、幸せとはいいがたい日々を送るオルガだが、ま…